大学スポーツファンをまずは増やそう!各大学のスポーツ新聞の力を結集し、大学スポーツの賑わいを作る!!


大学ラグビー特集を伝える「明大スポーツ」。筆者が訪れた日がちょうど発行日だった。

大学ラグビー特集を伝える「明大スポーツ」。筆者が訪れた日(11月30日)がちょうど発行日だった。

明治大の駿河台キャンパスに訪れたのは11月30日午前9時30分頃だった。キャンパスに足を踏み入れると、入り口のすぐそばに大学スポーツ新聞がこれでもかと敷き詰められたキャビネットがあった。明治大のスポーツ新聞を発行している「明大スポーツ」の学生記者の方々が、当日発行された最新のスポーツ新聞を束になった袋から取り出して、そのキャビネットに並べていた。

学生記者の方に「新聞頂いてもいいですか?」と尋ねると「ぜひどうぞ!今回の号はラグビー特集となっています。よろしくお願いします」と言って、その1部を手渡してくれた。大学スポーツ新聞とは、学生を中心に自大学のスポーツの活躍を伝えるために発行されているスポーツ新聞のことで、取材から原稿書き、写真撮影から新聞のレイアウト、発行までを学生たちが行っている。

この新聞が「無料」であることには毎回驚かされる。学生記者たちは、一部の経費については大学からの補助で賄っているが、新聞製作費の多くはスポーツ新聞の広告収入で、新聞のスポンサーを探すことも学生たちの非常に重要な仕事の一つになっているのだ(自腹を切ることもあるとか)。例えば、上記の明大スポーツの1面下3段には、大手牛丼チェーンの吉野家とコラボレーション企画があり、しっかりと広告が掲載されている。

トップページには迫力ある写真がドーンと1枚載せられており、ワクワクしながらページをめくってみると、12月4日に控えた関東大学対抗戦のメーンイベントとなっている「早明戦」の特集が数ページにも渡って展開されていた。戦力分析や選手のコメントなど細かな部分まで取材されていて、通常のスポーツ新聞社が伝えることのない情報がそこには満載であった。写真も記事も学生記者が取材を通じて取得したもので、明治大ファンだけでなく、多くのラグビーファン、大学スポーツファンにとっても読みごたえのある新聞となっている。

大学スポーツ新聞は基本的にどの大学でも「大学内」だけに特定の場所に置かれており、一般の方々がお目にかかることはほとんどないのが現状だ。「一般のスポーツ新聞のように、近くのコンビニなどにも置いてもらえるといいんじゃない。そしたらもっと明大スポーツが伝える大学スポーツの面白さ、魅力がより多くの人たちに伝わるんじゃない?」と新聞を並べている明大スポーツの学生に声をかけた。「そうなると面白いですね」と笑顔を見せていたが、学内だけに留めておくのは非常にもったいないと思うのが大学スポーツ新聞だ。

日本大学で発行されている「日大スポーツ」(2015-2016)

日本大学で発行されている「日大スポーツ」(2015-2016)

私はこの日、明治大を皮切りに日本大、専修大、駒沢大、法政大、青山学院大、そして國學院大などを回って、各大学の大学スポーツ新聞を見て回ったり、学生記者の方とお話しをさせてもらった。日本大では、スポーツを含めた大学のニュースを伝える日大新聞が発行されており、日大のスポーツの1年を振り返る「日大スポーツ」(上記写真)では、全面オールカラーでまるで写真集かのようなクオリティの高い写真を中心に掲載し、雑誌風に仕上げている。専修大では「ニュース専修」という新聞を発行しており、サイズは通常の一般紙やスポーツ紙のブランケット版よりも紙幅の小さいダブロイド版でスポーツの話題も取り上げている。大学スポーツ新聞は、スポーツ新聞のブランケット型、タブロイド型、そして雑誌型の大きく3タイプの形式で大学の学生やOB/OG、そして関係者に大学スポーツの今を伝えている。それぞれの大学でテイストも異なっており、それがまた面白いのかもしれない。

近年では、各大学スポーツ新聞は独自のインターネットサイトを保有し、そこでも最新のスポーツニュースや速報記事などを中心に配信している。12th Manに参画していただいた大学スポーツ新聞については、こちらのページを参照してもらいたい。フェイスブックやツイッターなどのSNSも駆使しながら、自大学の最新ニュースを鮮度の高いうちに読者に届けようと各大学工夫を凝らしているのがよくわかる。

このように、各大学のスポーツ新聞はそれぞれでスポーツ新聞を発行しながら、大学スポーツの魅力を伝えているのだが、広く一般を見てみるとその新聞の存在自体も知られていないのが現状だ。これは、大学スポーツ新聞が広く一般に伝えるというよりも、学内やOB/OGなど内向きな発行になっているのが大きな要因なのではなかろうか。冒頭で述べたように、大学スポーツ新聞を入手するには、一部の大学スポーツ新聞では「定期購読」などを有料で行ってはいるものの、基本的には大学内でしか入手できないという非常に限定的なものとなっており、これでは大学スポーツ新聞を読める人も非常に限られてくる。

ダブロイド紙「専修ニュース」。専大スポーツもこの中で記事や写真を掲載している。

ダブロイド紙「専修ニュース」。専大スポーツもこの中で記事や写真を掲載している。

また、各大学のスポーツ新聞は当然のことながら自分の大学のみにフォーカスしているので、またこれが大きな特徴でも強みでもあるのだが、例えば対戦するチームの特集なんかは自大学の名前の新聞である以上ほとんどできないのが現状ではなかろうか?読者は、自大学のチームや選手のことを知りたいのはもちろんのこと、その相手、ライバルがどうなのか?についても知りたいはずである。ある大学スポーツの学生記者にこの辺りのことを聞いてみると「やりたいのだが、他大学との横のつながりがうまくできない部分もあってなかなかできないのが現状なんです」と明かしてくれた。

各大学のスポーツ新聞は実に興味深く、一般のスポーツ新聞や雑誌などプロにはない「選手たちとの距離感」がある。学生記者たちは普段の学校生活の中でも、アスリートたちと一緒に授業を受け、食事もしたりしながらともに同じ大学で学ぶ学友でもあるのだ。なので、どの報道よりも詳しく突っ込んで記事にできるのは、大学スポーツ新聞なのではないかと私はずっと思っている大学スポーツの魅力、面白さを最も間近で見てきた学生記者たちが伝える「大学スポーツ」をもっと広く世に伝えることはできないだろうかと考えている。

12th Manでは、その第一歩として各大学のスポーツ新聞を紹介した「大学スポーツ新聞特設ページ」を作成した。まずは大学スポーツの今を伝えている「大学スポーツ新聞」の存在や、その活動ぶりを広く一般の方々にも知ってもらいたいという想いからだ。現時点(2016年12月21日現在)で7つの大学スポーツ新聞部(掲載順に、立命スポーツ、同志社スポーツアトム、スポーツ東洋、スポーツ国士、スポーツ法政、関学スポーツ、中大スポーツ)が12th Manの考えに賛同いただき、参画している。各大学のスポーツ新聞の情報が一堂に会するサイトは唯一無二の存在だろう。全国の大学スポーツ新聞部に今後も参画いただけるように、これからも進めていくつもりだ。

同時に、各大学スポーツ新聞の学生記者たちが、自分の大学のスポーツニュースを12th Manのサイトで配信していき、そこに多くの人たちがアクセスできるようにしていきたい。大学スポーツのニュースが12th Manのページに行けば読むことができる。そんな夢のような場所を構築し、読者や学生記者、そして大学スポーツに興味のあるライターの方などに提供していきたい。スポーツに興味のある人、大学スポーツをもっと知りたい人は世の中たくさんいて、そんな人たちが大学スポーツの最も身近で詳しい情報を一つの場所でいろいろと読むことができるのだ。

例えば、来年1月2日・3日に開催される箱根駅伝は大学スポーツの中で最も人気のあるスポーツで、もはや日本の正月の風物詩ともなっているが、「3連覇狙う青学大の状況は?それを阻止する早稲田や駒沢、東洋の仕上がり具合はどうなんだ?」なんてことを12th Manのサイトに来れば、各大学のスポーツ新聞記者が配信した記事で一網打尽にできる利便性もある。インカレでは東西対決が一つの見どころになることは多いが、それぞれのファンにとって自分と逆にいる大学については知識が乏しいだろう。そんな時も、そのライバルであろう相手大学の情報なども12th Manから配信される記事でキャッチすることも可能になるだろう。

箱根駅伝に向けて2年生選手の台頭を伝える駒大スポーツ

箱根駅伝に向けて2年生選手の台頭を伝える駒大スポーツ

12th Manで記事を配信する各大学のスポーツ新聞にとっても、12th Manを通じて自分の大学のスポーツを伝えることができるし、大学スポーツの一人の記者として自分の能力を高め、記事を読んでもらう機会を増やすことで「大学スポーツ新聞のスター記者」になることも夢ではないのではないかと思う。インターネット時代となった今、「ユーチューバー」などが数多く出現するなど、個人の時代に突入しているのは紛れもない事実であろう。そして、スポーツも同じだが個人が頑張ることが、チームのためにもなるということも明白な事実なのはご承知の通りだ。大学にとっても、将来入学を考えている中・高校生に大学をPRする格好の場所になるのではなかろうか。

お祭りは、たこ焼き屋や金魚すくいなど様々な出店が一か所に集まっているからこそ「賑わい」を作り出すことができる。各大学のスポーツ新聞は、各大学ごとに非常に個性的な新聞という花火をそれぞれ打ち上げている。一つの大学が打ち上げる花火では、見れる人も見える範囲も非常に限定的になるが、それぞれの花火の力を結集させて打ち上げることができればどれだけの美しく、大きな花火となるだろうか。それぞれの大学スポーツ新聞の魅力をより広く伝えるには、大学スポーツ自体の魅力をまずは知ってもらう必要があるであろう。

12th Manがその花火を打ち上げる発射台の役割を果たせたらうれしい。大学スポーツにおける賑わいの場所になって、多くの人たちに大学スポーツ新聞を通じて大学スポーツの面白さを発信していく。12th Manという中立的な場所であれば、大学同士のコラボ記事や企画ものなどこれまでにない大学同士の横のつながりが構築でき、より一層読者に楽しんでいただける記事が広く社会にお届けすることができるのではなかろうか?

各大学それぞれでファンを作りたいのは理解できるが、まずはその素地となるであろう「大学スポーツファン」を増やして、大学スポーツ全体を盛り上げるべく「賑わい」を作っていくことが必要だと考える。

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