抜きんでたサントリーの意志決定


ジャパンラグビートップリーグ2016-2017シーズン終盤戦、サントリー対ヤマハの全勝対決は、サントリーが制した。サントリーは、シェイプ戦術ではなくポッド戦術を採用しグラウンドを大きく使い試合巧者ぶりを発揮した。ラグビーはボールを持って攻撃するポゼッションを重要視することもあるが、「ボールを持って攻撃するリスク」を避けていた。以前は、自陣深いところからもシェイプ攻撃で、ボールをテンポよく回し攻撃を仕掛けたが、この日は、攻撃の行き詰まりを感じるとキックを上手く活用した。チャンスが生まれれば、一気に攻撃を仕掛、トライをとりきる。もしくは、素早くボールを大きく動かして、ヤマハの強いブレイクダウンとの攻防を凌いだ。
予想されたスクラムでの抵抗やラインアウトでの攻防で、上手くゲームを組み立てられなかったヤマハは、対策を立てられ、自分たちの強みを出せないもどかしい闘いとなった。「強みに溺れた」ことになる。両チーム見応えのあるゲームをみせてくれた。
久しぶりにみたサントリーのゲームは、戦術チェンジと彼らの意志決定の速さに驚かされた。「スタイル貫徹型」のラグビーが多い日本において、プレイヤーの意志決定を基にした戦術ループを行う数少ないチームである。この日のサントリーは、幾度かの攻撃(フェーズ)で、数的優位、スペースを作れないと、ボール保持を放棄しキックに切り替え、攻撃権を譲渡する。よく対戦チームを分析した、防御からプレッシャーを逆に懸けてから、敵のゲームプランを崩壊させた。「ブレイクダウン→ペナルティ→ラインアウトモール」「スクラム→コラプシング→ラインアウトモール→」というような流れを寸断させた。このスタイルが、現代対戦型ゲームでは、「完膚無きまでに敵を叩きのめす」戦術として考えられるのではないだろうか?
解説でも「今年のサントリーは、練習からプレイヤーがよく考えるようになった」といっていたように、常に戦術内での意志決定をプレイヤー自身に求めていたことが理解できる。「スタイル貫徹型」あるいは「分析主導型」だけでは、「強みに溺れ」「思考狭窄」におちいり、ゲーム中の次の一手が打ち出せない。「もどかしい」ゲームプランである。
サントリーのみせた意志決定戦術は、日本のラグビーコーチングを大きくかえる可能性に期待したい。これは、きっとビジネス界にも役立つはずである。

「やってみはなれ!」

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