「第3回台湾マラソンin苗栗」体験記


台湾マラソン2017スタート地点。競技場の温度計は27度を示している(午前6時現在)

10月15日、台湾の苗栗で第3回台湾マラソンが開催された。筆者はハーフマラソン(21キロ)に出場。スタート時刻の午前6時現在ですでに27度、さらに雨の中でのマラソンとなり、何とか完走できたというのが正直な感想だ。ただ、台湾マラソンの関係者によれば「台湾マラソン開催前の一週間は30度を越える真夏日だった。当日の気温が心配されたが雨のおかげもあって比較的涼しくなってランナーにとっては走りやすかったのでは」とのことだった。海外でのレースは初めての私の力はまだまだだなと肌身を持って感じたレースとなった。

台湾マラソンの海外からのランナーを歓迎するホテルの垂れ幕

レース前日14日に台湾に初上陸。台湾マラソンの関係者の皆様に歓迎を受けた。空港からマラソン開催地である苗栗までバスで向かい、宿泊するホテルに到着した。すると、台湾マラソンの国際アスリート(ランナー)を歓迎する垂れ幕がお出迎えしてくれた。今回、私は関係者の取り計らいで日本からのランナーとして参加することとなった。初めての海外でのマラソンで、「海外なんだな」ということを改めて感じさせられた。

マラソン前日に行われたレセプション

イギリスなど海外20カ国以上からのランナーが招待された

第1回、第2回の台湾マラソンの模様がスクリーン上で上映され、ランナーたちの気持ちは否応なしに高まった。そして、台湾マラソンの関係者、スポンサーなどが次々に壇上で挨拶、また日本からは台湾マラソンと提携・交流している奈良マラソンの視察団なども参加しており、意見交換などを行っていた。台湾、日本、そして世界中から台湾マラソンのためにやってきた人たちが、美味しい台湾料理と台湾ビールを飲みながら交流し、翌日のマラソンでの健闘を誓い合った。

台湾マラソンのゼッケンとキャップ

この日に私はハーフマラソンのゼッケン、台湾マラソンのTシャツ、そしてキャップをいただいた。実は、名前入りのゼッケンをもらうのは初めてで、これで俄然気持ちが高まったことは言うまでもない。台湾ビールをほどほどに頂いてから翌日3時からの朝食に備えて早めにベットの中に入った。マラソン前日にはお酒を飲まないと決めていたのだが、この歓迎と海外に居るということがその誓いをなし崩しにしてしまったのかもしれない。でも、マラソンを走るだけでは本当の意味でマラソンを楽しんだことにはならないと私は考えており、そのあたりはまあ不問に付そうという結論に至らせた。

マラソン当日、朝3時に目覚めて朝食を取った。これがまたビュッフェ形式でたくさんの美味しい料理が並んでいた。マラソンまで3時間前とはいえ食べ過ぎには注意しなければならないのだが、どうも食べ過ぎた気がした。これも「海外にいるから」という気持ちがそうさせたに違いない。そして、雨の中、午前4時半に海外招待ランナー立ちを乗せたバスはホテルを出発、約1時間ほどでスタート地点の苗栗陸上競技場に到着した。

台湾では知らない人はいないというキャラクターもランナーとして参加

会場はまだ日も明ける前で真っ暗だった。陸上競技場に点灯された照明がともされており、雨つぶがしっかりと見えた。雨が降っているとは言え、陸上競技場の温度計はすでに27度を指していた。こんな暑い中、そして雨が降っている中でのマラソンは実は私は初めてだった。身体はなんとなく重く、そして軽くウォーミングアップで競技場を走ったが、2週間前の福井マラソンで痛めた右ふくらはぎがやはり痛かった。

海外初レースというワクワク感と、身体の状態への不安・・・。これが同時に私に襲ってきた。私はハーフマラソンで何とか2時間を切るレベルのランナーなのだが、そのレベルなりにこのような不安は感じるものだ。そして、午前6時、スタート地点に立った私は21キロの台湾旅行へと走り始めた。

マラソンコースの要所で雨の中温かい応援をしてくれたチアリーダーおばちゃんたち

2時間を目標にスタートした私は、早速「2時間小」というゼッケンをつけたペースメーカーを発見。そのペースメーカーについて走り続けた。でも、なんかおかしい。まだ5キロくらいしか走っていないのにものすごく身体がきつくて重たくなった。そして、6.8キロ地点での初のエイドでは「これはまずい」という状況となった。だんだんと体に力が入らなくなってきたのだ。さらに悪いことに、右足ふくらはぎが悲鳴をあげたのだ。

ペースメーカーの背中がどんどんと小さくなっていく。私は気が遠くなっていった。足をなんとか前へ進めているということしか覚えていない。意識も朦朧としてきた。水分を補給しても身体の中に入ってこない感覚だった。おそらく軽度の脱水症状にもなったのだろう。後続のランナーたちにどんどんと抜かれていく。「何クソ!」という気持ちも湧き上がってこなかった。

台湾マラソン2017コース図

途中棄権も頭を何度もよぎった。しかし、今回は招待選手として出場させてもらっているのでどんなことをしてでもゴールまで走り抜こうと思った。台湾マラソンもそうだが、日本では当たり前となっている1キロごとの表示が一切ない。なので今自分が何キロくらいを走ったのかが遠のく意識とも相まってわからなかったのが余計に辛かった。それでも前に進むしかゴールへたどり着く方法はないとひたすら脚を前へと進めた。この時、海外のマラソンではGPS付きの時計が必要だということを改めて感じだ。

スタートから2時間が過ぎた頃、ようやく陸上競技場が見えてきた。沿道にいた台湾人スタッフに「ゴールはもう近いですか?」と何かにすがる思いで英語で聞いたのを覚えている。「もう近いぞ!頑張れ!」と返ってきた時、ほんの少しだけ力が沸いてきた。そして、陸上競技場に入るとゴール付近にはたくさんの台湾の応援者たちが拍手で迎えてくれた。そして、「せめてゴールだけは爽やかにしよう」と満面の笑みでゴールした。タイムは2時間27分01秒。2週間前の福井ハーフマラソンより30分遅れてのゴールとなった。

台湾マラソン2017のハーフマラソンでゴールした筆者

台湾マラソンの完走者に送られる台湾マラソンメダルがずっしりと私の首にかけられた。このメダルをかけてもらう瞬間が私にとってマラソンを走る醍醐味となっている。自分で言うのもなんだが、今回よくゴールにたどり着けたなと思った。いろんな意味で海外でのマラソンのむつかしさを感じた。

そして、ゴール後の楽しみとしては台湾ビールの無料サービスがあったことだ。台湾で8割のシェアを誇るという台湾ビールがスポンサーとしてマラソンをサポートし、ランナーたちに何杯でも無料で生ビールを提供していた。日本のマラソン大会ではビールを無料で提供している大会を聞いたことがなく、これには台湾マラソンの大きさを感じざるを得なかった。キンキンに冷えた台湾ビールの味は忘れることができない美味であった。

ゴール後にランナーたちに無料で提供された台湾ビール

台湾マラソンは、台湾各地で毎年行われているマラソン大会で、台湾で最も規模の大きい台北マラソンとは異なる。台北マラソンは毎年同じ場所(台北)で開催されるが、台湾マラソンは毎年台湾各地で場所が変わることが面白い点だ。毎年場所が変わることは運営面から見れば難しい点が多いと思うが、参加者からすれば逆に様々な都市を訪れ、楽しむきっかけにもなる。また、台湾マラソンを各都市で行うことで、その都市でのマラソン熱を高めることにもつながるであろう。また、その都市にとっては自分たちの魅力を台湾のみならず世界中に伝える大きなチャンスにもなるだろう。

来年どの都市で第4回台湾マラソンが行われるかはまだ未定とのことだが、もし台湾マラソンに興味を持たれた方がいればぜひ参加してみてはどうだろうか。マラソンを通じて台湾の魅力を肌身を持って感じることができるのは言うまでもない。私もリベンジマッチとして再戦したい。

最後に、台湾マラソンの関係者の皆様に素敵な機会を頂いたことに感謝申し上げたい。

台湾マラソン完走者に送られるメダル

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