なぜ日大アメフト事件がここまで炎上したのか?


アメリカン・フットボール(アメフト)。アメリカで絶大な支持を得る超花形スポーツです。※関西圏では「アメフット」という発音に違和感があるので、アメフトと表記させていただきます

 

私自身もボールを触ったことさえない門外漢ですが、アメリカでいかに人気のある花形スポーツであるか、スター選手がモテモテ、くらいの知識はあります。

現在、日大が対関学戦で行ったプレーをめぐって日本中が騒動になっていますが、批判している人のほとんどが、競技に対する認識は私と同程度のものであると思います。

今日は『外野』という一般的な立場・目線から、この問題について記してみたいと思います。

 

まず今回の騒動の最大の被害者は、関学のアメフト部、日大の学生ならびにOB、そして国内アメフト愛好家の方々であると思います。

私の母校(高校)にもアメフト部がありますが、現在は部員減少により試合ができない状況にあります。

ビリヤードと比較すれば「部活があるだけいいじゃん!」と想うところもありますが、母校にアメフト部があるということは、なんとなくではありますが、ステータスを高める印象を持っています。(実際は予算も設備もない公立高校ですが)

 

アメフトは世界的に見るとメジャー・スポーツとはいえず、オリンピック種目に採用されていない競技を中心に行われる『ワールドゲームズ(WG)』においても、正式種目の予備軍的立ち位置にある公開競技にとどまっています。

ビリヤードがWGでは2001年から正式種目に採用されていることと比較しても、やはり世界的にはマイナーと言わざるを得ないでしょう。

これはスケール(場所や用具など全般の意)が大きいこと、戦術が複雑で指導者を育てるにも大変なこと。などアメフトには各種スポーツの中でも普及させることが難しい要素が大きいと感じます。

 

そして本題です。今回の問題がなぜ類を見ない炎上、延焼を繰り返しているのか!?

日大側の初動対応のマズさ。これに尽きるでしょう。

 

そもそも、今怒りの声を上げている人のほとんどが、日大と関学が定期戦を行っていたことさえ知らない素人。(私も含む)

ただし前述のように、漠然とではありますが、「アメフトは(アメリカの)花形スポーツ」という程度の認識は、大小の差異はあれどほぼ全員が抱いています。

そしてネットやテレビから流れてくる映像を見て「ヒドい!」と感じた訳です。

繰り返しになりますが、今回の被害者は関学アメフト部、日大の学生やOB、そしてアメフト愛好家です。第三者がこれほど騒ぐ理由は(元々は)ありません。

 

しかしながら、新聞各社の報道が正確であれば、という前提がつきますが、日大(主に広報)から出てくる情報に「まさか」が続いて騒動は拡大していきました。

では現代のネット社会で珍しくない『炎上』が、どうしてこれほどまでに拡大延焼してしまったのでしょうか?

感情的に「日大は謝れ」「アメフト部は解散しろ」といった声も噴出していますが、アメフトファンでもなければ、日大関係者でもない人が、ここまで大きな声を出す理由もなかったのです。

 

映像を見て多くの人が「ヒドい!」と感じた。これは怒と哀の入り混じる『負』の感情です。

そのマイナスをイーブンまで戻すことが出来るのは日大側の対応のみ。人々(私)はそれに期待をしたわけですね。

しかし、出てきたのは(メディアの報道が正確であれば)、怒と哀を増長させるような内容ばかり。

 

まず「ヒドい!」と素人が見て感じるようなプレーをしたことに対して、即座に謝罪をすべきでした。

「誠に申し訳ありません。ただちに事実調査を行って、あらためてご報告させていただきます」

せめて初動に被害者、その家族、関学アメフト部、アメフトファンの皆様、に対して“お詫び”をすることが最低限。

 

要は「アメフトというスポーツにおいて、あのプレーは断じて許されるものでない」ということを知りたかったのです。「やっぱり、そうだよね」と。

それが「偶発的なアクシデントが起こってしまった。監督は仕事が忙しいから会見をする時間がない」と日大広報のアナウンス。

石油タンク何個分。そんな燃料投下でした。

 

あのプレーが偶発的なアクシデントであると、大学日本一のチームを擁する大学が見解を示したということは、アメフトというスポーツでは今後も起こり得ることだと宣言したようなものです。

しかも、その対応よりも優先する仕事がある。となると「何を騒いでいるのみんな。あの程度のことで」と捉えられても仕方がありません。

しかもそれが政治家の事務的答弁のように体裁を繕って出したものだということは、誰もが強く感じてしまいました。

また日大の監督が日大でも経営に携わるポジションにあるということから、権力者が瑕疵を隠蔽しようとしている。という捉え方も悪い風を吹かせてしまいました。

 

人々が感じた「あり得ない!」に対して、より大きな声で力強く「あり得ない!」を日大(ならびに日大アメフト部)が発信すべき(であったの)です。

誰が悪い、とか「認識に乖離」などは後まわしでいいんです。

「ヒドい!」、「あり得ない!」と感じている人、声を上げている人に対して、「ヒドくないよ」、「あり得なくないよ」と逆撫でしてしまっているのが現状でしょう。

もう10日以上も経ってしまったので、最低な初動対応をひっくり返すのは難しいかもしれません。

でも、人々が求めているものは、今感じている強い違和感、そして怒と哀という感情の解消なので、まだ対応次第で着地はできると思います。

 

そもそも「廃部!」とか「廃校!」と叫んでいる人まで出てきていますが、いきなり「廃部です」とアナウンスしても納得しませんよね。

求められているのは、今人々(私)が感じている「負の感情」の解消と「違和感」の払拭なのですから。

 

日大に関わる方々、アメフトに関わる方々のためにも、一刻も早い収束を願う次第です。

 

以下は独り言として。

アメフトという名前と競技のおおまかな雰囲気は、日本中で知られています。

一方で経験者となると、かなり数が絞り込まれることになります。

これは私が専門とするビリヤードと似たところがあり、存在はメジャーだけど競技はマイナー。そんな立ち位置にあると思います。

 

今回、アメフトというワードが爆発的に茶の間を席捲して、アメフト界にとっては残念な映像が出回ってしまいました。

私の母校(のアメフト部)も来春に「例年を上回る大勢の入部者がなければおそらく廃部」という状態ですが、目論見としての状況は極めて悪化していることでしょう。

母校に限らず、アメフト関係の活動を行っている団体は似たような悪影響を受けていると考えます。

被害者のQBの選手に後遺症が残る可能性は極めて少ない、という診断が出たことは本当によかったです。

が、それでも人々が抱いた「怖い!」という印象は現状で拭うことはまったくできていません。

しかし、ピンチはチャンス。今の注目度をプラスに転じる策は必ずあるはずです。

 

日大が今後まっとうな対応をして、今の騒動を収束できる時がきたなら、日大がアメフトファンへのお詫びとして、国内オールスター戦を自費で開催するなんていうのはいかがでしょう?

東西対抗として、日本のトップスター選手を中心に、もちろん日大と関学のOBも(戦力上でも勝手に選出されるでしょうが)存分に交えて。公開和解。そんなシチュエーションは、これだけの人を巻き込んだ騒動の着地として理想的ではないかと思います。

その場で日大としてあらためて問題プレーと初動対応のマズさを正式に謝罪して、「アメフトという競技に罪なし」、さらに「いかに素晴らしいスポーツであるか」を伝えることができたら、日大学生やOB、アメフトに関わる人への禊も全うすることができるのではないかと思う次第です。

 

最後に、なぜ私が知識の欠片も持たないアメフトでこんなに熱くなったかと言いますと、実は攻守交替がはっきりしているという点でビリヤードと似ていまして、(ビリヤード専門誌の)インタビュー等でも時折「アメフトが競技として似ている」という話が出ていて、潜在的な親近感を覚えていたからです。

もちろん“動”のスポーツの極みともいえるアメフトと、“静”のビリヤードは対極的な位置にありますが。

まずはしっかり誠意のある対処していただいて、そのあとに攻めに転じていただけたら、と願う次第です。

長文を最後までお読みいただき、アメフト素人の戯言にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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