日本人観客のマナー 楽天OPを例に


 

10月1日から7日の日程で開催された楽天・ジャパン・オープンテニスは錦織圭選手の活躍もあり大盛況だった。錦織選手は惜しくも準優勝という結果に終わったが、スーパープレーの数々に会場が湧いた。筆者は現地観戦はできなかったものの、テレビを通して全ての試合を観ることができた。私も会場の観客と同様に、錦織選手のプレーに興奮が止まらなかった1人である。

そんな中、ネット上でよくささやかれていたのが、「日本人観客のマナー」である。「観客のマナー悪すぎ」、「民度が低いな」など、ネット上では批判の声が挙がっていた。一体、日本人観客の何が具体的に悪いのだろうか?

早速答えを言ってしまうが、それは「ため息」である。実はこのため息、2013年の東レ・パンパシフィック大会でも少々話題になっていた。元プロテニスプレーヤー伊達公子さん(当時クルム伊達公子さん)が試合中にミスを犯した際、毎回会場から「あ~」という大きなため息が。これに対し、伊達さんは「シャラップ!(黙れ)」や「ため息ばっかり!」と試合中にも関わらず怒りを爆発させた。

筆者が錦織選手のファンになったのは2017年で、この年錦織選手は手首のけがのため楽天オープンを欠場した。そのため、筆者にとっては今回の楽天オープンが日本の大会の初観戦だったが、確かに日本人観客のため息は聞いていてうんざりするくらいの響き具合で、ミスをするたびにため息の嵐が起こっていた。これをプレーヤーが聞いたら本当に不快なのではないか?と、ある意味伊達さんに同情してしまったのだ。本来のマナーでは、ミスをした場合、ため息をつくことは許されておらず、むしろ何らかの声援を送るべきなのだが・・・日本人は母国の選手を応援したいという気持ちが強すぎるのか、海外の観客よりも失望の声が鳴り響いてしまう。

加えて、問題なのはミスをした時だけではない。実はテニスの世界で観客はいいプレーをした場合、応援している選手及びその対戦相手にも拍手をしなければならない。しかし、今回の楽天オープンを見ていると相手選手がいいプレーをしたときに拍手をせずに「あ~」(錦織選手が点を取られて)、そして極めつけは相手選手がミスをしたときに「お~」(錦織選手が点を取ることになるため)と、さすがにこれはひどいのではないかというような状況がテレビからでも垣間見えたのだ。

日本人観客に向かって声を挙げたいと思う。テニス観戦をするのであればもう少し事前にマナーを学んでから会場に足を運んだ方がいいのではないだろうか。おそらくどんなスポーツでもそうだが、それぞれ特有のルールが存在し、それは選手だけではなくて観客も同じだと思う。楽天オープンを見ていても、日本人観客の様子を見ている限り、テニス独特の観戦マナーを守ろうとしているとは思えないのだ。錦織選手や大坂なおみ選手の活躍で日本のテニス界が盛り上がっていることは間違いないため、母国の選手を応援する気持ちは十分に理解できるが、その対戦相手へのリスペクトも絶対的に必要であると筆者は考えている。そう、対戦相手も日本に来てくれているのだから、その感謝の気持ちを忘れてはならないだろう。

テニス観戦の際はぜひマナーについても意識して楽しんでいただきたいと思う。

(文:中村 光佑)

※写真

https://asanogawa.exblog.jp/24208990/

 

 

 

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