陸上競技部・第267回日本体育大学長距離記録会


11月10~11日 日本体育大学健志台陸上競技場

堀尾覚醒!『中大』のエースから『学生界』のエースへ

 

11月としては少し暖かい気候が続く中、日体大記録会が10、11日の二日間で行われた。中大からは初日の1万メートルに川崎新太郎(経2)が、2日目の5000mには堀尾謙介(経4)、舟津彰馬(経3)ら5人が出場した。あくまで2週間後に控える学連の1万メートル、さらには箱根へと向けた前哨戦だが、この時期の記録会のタイムは箱根をにらむ各校の指揮官、選手にとっても重要な指標となる。試合前、藤原駅伝監督は「堀尾、三浦に関しては13分台で走れると思います。池田も14分10秒台あたりできてくれたら」と語っていたが、その予想を良い意味で“裏切る”レースとなった。

実業団の力のあるランナーやケニア勢、各校のエースが集まった5000m最終組。2週間前の中大記録会では堀尾、三浦拓朗(商1)、池田勘汰(商2)は良い動きを見せていただけに、好記録を出す予兆はあった。

レース開始早々、外国勢が先頭集団を形成しハイペースなレース展開となる。しかし「最初の1周目がタイムの割に楽だった」(堀尾)と語るように、中大勢の3人は落ち着いた走りを見せる。

2000mを過ぎたあたりで第一集団と第二集団がはっきり分かれる。しかしケニア勢中心の第一集団に堀尾は日本人でただ一人、臆することなく果敢に食らいつく。三浦、池田も第二集団でしっかりとペースを刻んだ。その後、堀尾はレース終盤まで外国勢と一歩も引けを取らない走りを見せる。

3キロを8分11秒、4キロを10分53秒で通過し残りは1キロ。堀尾は「最後まで余裕があった」と、さらにギアを入れ替え、自己ベストを大幅に更新する13分33秒51でフィニッシュ。5000m今季学生最高タイムを更新する圧巻の走りだった。

「大学2年の10月以来2年ぶりの自己ベスト。13分台もそれ以来(笑い)。おまけに来年の日本選手権の標準も切れた」(堀尾)と笑顔がはじけた。三浦も自己ベストに惜しくも0秒54届かなかったものの、13分台でセカンドベストを更新。池田も13分台に惜しくも0秒38届かなかったが、自己ベストを20秒以上更新する力強い走りを見せた。

▲今季学生最高タイムで自己ベストを更新した堀尾

▲13分台の好走を見せた三浦

▲自己ベスト大幅更新も13分台に惜しくも届かず悔しさをあらわにする池田

▲レース後高校時代からのライバル同士、互いの健闘を称えあう中谷雄飛(早大1)(左)と三浦(右)

箱根予選会でハーフ61分台で日本人3位、5000mでも今季学生最高タイムを出すなど、各距離に適応した走りを見せる堀尾。名実ともに『中大』のエースから『学生界』のエースへと成長を遂げた。「この調子でいけば箱根も区間賞争いができるかなと。期待してみててください(笑い)」(堀尾)。殻を破った真のエースが中大を箱根シード獲得に導く。

▲レース後、笑顔で本紙記者のピースサインに応じる堀尾

堀尾、三浦、池田の好走とは対照的に舟津の状態が心配される。最終組の1組前の37組に出場した舟津。レース序盤は先頭を走るなど攻めの走りを見せたが、2000mを過ぎてから一気にペースダウン。後方に下がりその後は単独走を余儀なくされ、本来の力強い走りは影を潜めた。

1、2年時と藤原駅伝監督の長距離ブロック改革の中、主将を任されチームをけん引した舟津。今季序盤は1500m日本歴代5位のタイムを叩き出すなど好調だったが、その後は思うような走りができず苦しんでいる。舟津の復活なくして中大の上位進出は厳しい。舟津は2週間後の八王子ロングに出場予定。復活を願うばかりだ。

▲苦しい走りとなったが懸命に前を追う舟津

川崎、石田光輝(文1)と今シーズン苦しんでいた選手も徐々に復調の兆しを見せてきた。今週末には上尾ハーフ、翌週には学連1万メートル挑戦記録会、八王子ロングと箱根メンバー選考レースが続く。名門Cの箱根躍進へ。今回の堀尾、三浦、池田の快走がチームに勢いを与えたに違いない。

◆コメント◆

藤原監督
―今回の試合を振り返って
タイムを出しにいこうとはせず、次の1万メートルに向けた刺激という形での出場でした。その中で堀尾があれだけのタイムを出してきましたので、正直驚いています。ただ、練習でも凄みが出てきてはいるので、その予兆はあったかなと思います。
―今回の収穫と課題
調整という意味合いですので、全体的には次の1万メートルをしっかり走ってくれればなと。舟津に関してはインターバルや押していく練習の精度が落ちているので、それがパフォーマンスにも影響しています。あとは1500mで3分38秒を出して少し満足してしまっています。今のままだと並の選手で終わってしまうので、自分自身で自己を客観視して、変化を起こしていくしかありません。自分自身としっかり向き合って、現実を受け入れていくしかありません。耐え時ですね。
―今のチーム状況
本格的な学内選考がスタートして、ピリッとした雰囲気が徐々に出てきてはいるかなと。12月頭の日体大記録会までが選考ですから、各々が設定しているレースに先ずは全力投球です。2年生世代がかなり伸びています。1年生世代も少しずつ自分達を良くしようと動き出せています。3年生がピリッとしませんね。学年としての課題ですし、そこに向き合えていないと思います。彼らの変化にチームの浮沈がかかっていると思います。必ず変化を起こせると信じています。
―あくまで箱根に向けた前哨戦だとは思いますが、池田選手、三浦選手は28分台をターゲットにしていると思います。そのほかの選手たちの監督が期待するタイムのラインは
三浦・池田は28分40秒台を期待しています。学連・日体大記録会で28分台をもう1人、29分20〜30秒辺りで5名ほど出せると思います。まずはベストをしっかりと更新してくれればと。
―先日のナイキエリートランニングキャンプで得るもの、また刺激となったことはあったか
選手も私も非常に刺激を受けました。特にキプチョゲ選手が行なっているトレーニングや、その強度なんかは大変参考になりました。あとは、やはり人格者でないと強くなれませんね。そう強く感じました。

堀尾
ーレース振り返って
目標としては13分50秒を切れればいいかなと思っていた。今月末の1万メートルの練習の一環だったので、そんなに記録は狙っていなかったけど、思いのほか動いちゃったんで、これだったら行くところまでいこうと思ったらあのタイムになった。
ーどの辺からタイムを意識したか
最初から。最初の1周目から楽だったので、これは記録出るなと思いながら走ってました。3周切ったあたりできつさも来なくて、ペースもはやく感じなかったので、そこで確信しました。
ーチームの状態
ぼちぼち(笑い)。昨年は予選会がピークで、今は本戦に向けてやっているけど、今はチームの状態としては良くない。今日僕がちゃんと走れたので、そこでみんなもやる気だしてくれると思うので、あとちょっと頑張っていきたい。

三浦
―今回のレースを振り返って
スタートから留学生が前に出る中自分も負けずに前に出ようとしましたが、やはりまだ力が足りず後ろに下がってしまいました。その中留学生を入れても組で2番の堀尾さんはすごいなと感じました。
―今回の目標、監督から言われたことは
今の自己ベストがまだ高校時代のものなので、更新すること。また、13分台を出し今後につなげていくことを目標にしました。監督からは気楽に走ってこいとアドバイスを頂きました。
―高校時代からのライバルである早大の中谷選手も同組で出場していましたが意識したか
中谷とは高校3年の時から同じ大会や区間で対決することが多く、一度も勝ったことがないので、大学では負けてられないという気持ちがあります。中谷とはU20の合宿や大会でよく話していたので、今回もたくさん話しました(笑い)。
―今の調子と今後の意気込み
ここまで調子を崩さずこれているので、次の学連記録会の10000mで28分台を出して、箱根本戦に向けて自信をつけます。

池田
ー今日のレースを振り返って
初めて最終組を走ったということで早い展開になることは自分でも分かってて、ひとつ気にしてたのは最初の入りの1000mで突っ込みすぎると足が止まってしまうのでそこだけ気をつけて特に1周目は走りました。1周目タイムが66というのが聞こえて思ったより楽だなと思い、調子がいいのが分かりました。そこからは一人一人選手を抜いていくことを考えて走りました。ラスト一周64秒台で帰って来れたら13分台出たんですけど、はい。
ーレース後嬉しさよりも悔しさが目立ちました。叫んでいるのも見えましたが
悔しさが99%占めていました。
ー今日のレースに挑む時の目標は
結局1万に向けた5000mなんですけど、現時点でどれだけいけるか試したかったので自分のなかで14分15秒くらいを目標にしてたんですけど、それは3000mの通過の時点で、これは15秒は切れると確信しました。3000から2分50秒ペースで帰って来れれば13分台出せるって頭によぎってこれはいけるかもと思ったんですがいけなくて、残念な結果に終わってしまって。でもあくまでも目標は1万メートルで28分台を出すことなので。もう今日のレースで確実に28分台は出るという確信はあるので自信を持って学連のスタートラインに立ちたい。悔しさを力に変えたいと思います。
ー堀尾選手が前にいましたが思ったことはありましたか
堀尾さん、三浦が前にいて自分も13分台持ってたらあの位置で走ってるのかなと思ったりして。ベストが14分22秒だったので。そろそろ出さないとと思ってて。正直ここまでのタイムを想定してなかったのでその辺りが最後13分台出せなかった要因なのかなとも思います。しっかりもっともっと上を向いてやってきます。

川崎
―前回の中大記録会の5000mでは2000mで、今回は7000mで走るのをやめになりましたがその辺りの意図は何でしょうか
自分の体の状態と練習の計画を考えて、最初からそのような予定にしていました。
―今回の目標、監督から言われたことは
キロ3分を切って楽に走ること、今までやっていたことが間違っていないことを知ることを目標にしていました。花田コーチ(担当)とも同じことを話していました。
―今のご自身の状態について
今シーズン苦戦していましたが、ようやく心身がマッチしてきたかなと思います。
―次は学連、それとも八王子ロングか
学連(あくまで予定)です。
―今後の意気込み
心配をかけたシーズンだったので、ここからは、元気なことを知らせられるように頑張ります。

石田
ー今日の走りを振り返って
今季思ったような走りが出来ずにいたのですが、やっと、まともな走りをすることができました。
ー今回の目標、監督から言われたこと
3000m〜4000mのところを我慢できるようにとアドバイスを貰いました。
ー今のご自身の状態について
少しずつ良くなっています。
ー次は学連、それとも八王子ロングか
どちらも出ません。
ー今後の意気込み
12月の日体大記録会で自己ベストを出します。

◆試合結果◆
<男子1万メートル>
6組目
川崎DNF*7000mまで

<男子5000m>
35組目
㉗石田14分39秒83

37組目
㉜舟津14分57秒87

38組目
②堀尾13分33秒51 PB
⑮三浦13分57秒57
⑯池田14分00秒37 PB

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部

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