錦織 復活の2018年


錦織圭の2018年がとうとう幕を閉じた。先日のATPファイナルでは予選のラウンドロビン(総当たり戦)で決勝ラウンド進出を決めることができなかった。「ATPファイナルのプレーについては、納得していない」と振り返ったが、同時に「十分すぎる1年」と自賛していた。そんな錦織の2018年シーズンを振り返ってみたいと思う。

錦織は昨年8月の練習中に右手首を負傷し、そこから半年以上戦列を離れていた。復帰の目標の1つに掲げていた全豪オープンも出場できず、チャレンジャー(ATP下部大会)からスタートとなった。そのチャレンジャー第1戦は初戦敗退。半年以上のブランクがあることを考慮しても、さすがにこの時はファンの間でも「錦織は終わった」などとささやかれ始めていた。

しかし続くチャレンジャー第2戦目で早速優勝を果たすと、ここから徐々に錦織が感覚を取り戻し始めた。すぐさま錦織はATP250やマスターズの大会に出場機会を増やしていき、4月のATP1000マスターズ、モンテカルロオープンでは、トップ10の選手への勝利もあり、決勝にコマを進めた。その決勝では、ラファエル・ナダルに敗れたものの、復帰して比較的早い段階でマスターズの準優勝を収めた。

4大大会での成績は、全仏こそベスト16どまりで昨年の成績は越えられなかったものの、続くウィンブルドンでは自身初のベスト8、全米オープンでは4時間越えの熱戦を制してベスト4という好成績を残した。全米終了後は一気に調子を上げ、後半はすべての大会でベスト8以上に進出。中でも楽天オープンとエルステ・バンク・オープンでは準優勝という結果を残した。最終的には最終戦ランクで9位にとどまったものの、デル・ポトロ、ラファエル・ナダルの欠場もあり、ATPファイナルには繰り上げでの出場を果たした。最新の世界ランキングでは9位につけ、見事トップ10復帰を果たしたことも忘れてはならないだろう。

今季、錦織に対してファンも様々な「変化」に注目することになったのではないだろうか。まずはサーブ。フォームは上半身と手首の負担を減らすため、後ろ足を前足に引き付けない形に変え、体の開きを抑えた。そしてルーティンではその一球により集中力を高めるため、サーブのボールを一球ずつ受け取る形に変えた。こういった変化が功を奏し、4大大会でも結果が伴ってきた部分もあるだろう。また、手首をけがした時にトレーニングをし直したことで、強くなった錦織の身体はけがを負うことがなかった。自身も「身体が痛くなる感覚はなくなった」と振り返り、手首以外の部分も結局一度もけがはなく、シーズンを通して安定した成績が残せるようになった。

頭に入れておきたいのは、錦織が今年「復帰したばかり」だということ。トップ10の復帰とATPファイナルの出場を果たしたのは、チャレンジャーで初戦敗退を喫した経験から考えれば明らかにすさまじい結果である。おそらく本人もこの結果は想像していなかったと考えられるが、目標はまだその先にある。「4大大会」を優勝することはまだ達成していないため、これからこのゴールに向かって再スタートとなるのだ。

錦織の2019年シーズン初戦はブリスベン国際。その後の全豪オープンにも2年ぶりに出場予定。

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