Cを背負う者番外編・ハンドボール部⑤


大崎弘市(商4)

 

我慢の3年、「成長」のラストイヤー

 

今季、チームを引っ張る4年生に「同期について」と聞いてみると、ほとんどの選手が「個性が強い学年」と言った。それは各選手のカラーが存分に発揮されるゴール後のパフォーマンスからも垣間見ることができる。激しく雄叫びを上げて喜びを表現したり、ユーモアあふれるパフォーマンスを見せたりする同期を横目に、はにかみながら控えめに拳を突き上げる選手がいる。それが「中大のいぶし銀」、大崎だ。

▲ゴール後、応援席からの熱いコールにはにかみながら応える大崎

「自分は消極的な方なので」という性格からもうかがえるように、「個性が強い」4年生の中で大崎は自ら前に立つというよりも細やかなアシストでチームを支え続けてきた。しかし、昨年までは大崎と同ポジションである玉榮悠氏(平30年卒)の存在が大きかったこともあり、長い間出場機会に恵まれなかった。玉榮氏の最大の強みは「安定感」。そんな玉榮氏の後継となった大崎も今季、軽やかなパスワークとそう多くはないシュートチャンスをものにする安定感が魅力の選手に成長した。特に光を放ったのは春リーグの法大戦。「大学に入って一番動けた」とパスもさばきつつ5得点を奪う活躍を見せ、中大の快勝を手繰り寄せる立役者となった。

▲「安定感」が持ち味の大崎。目立つプレーはそう多くないがチームには欠かせないプレイヤーに成長した

スタメン出場した今月のインカレでは強豪・福岡大相手に互角の戦いを繰り広げる大熱戦に。中大は土壇場で同点に追いつき、延長戦に突入。そんな勝負の1点を争う延長後半2分過ぎ、大崎の左手から放たれたボールがゴールへと突き刺さった。結果として中大は惜しくも敗れたが、「一時期腐りそうになったこともあった」と振り返るほどの苦しい時を乗り越えて、大崎は大舞台で長い間くすぶり続けてきた実力を発揮した。

▲2年次のインカレの様子。大崎は応援席の前列から声援を送る

最終学年となり、ようやく光を浴びて大きな成長を遂げた大崎。決してチームでは目立つ方ではないが、「いぶし銀」として中大になくてはならない存在だった。「これまで強い気持ちを持って臨んできた」。秋リーグ終了後、ほほえみながら穏やかに話す大崎の声にはこの1年に懸ける熱い思いが感じられた。苦しくて悔しかった3年間、そして強い覚悟を持って挑んだ最後の1年。全力で駆け抜けた日々に思いをはせ、新たなステージへと駆け上がる。

▲春リーグでの一枚。大崎にとってハンドボールとは「成長」だという

 

▼大崎弘市プロフィール

おおさき・こういち 平成9年2月2日生 市川高卒 175㌢ 利き手・左

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部

コメントを残す