陸上競技部・10000m記録挑戦競技会


11月24日 慶大日吉陸上競技場

 

激化する部内競争 チームは「勝負」の1カ月を迎える

 

いよいよ箱根駅伝まで残り1カ月余り。箱根路出走を目指すランナーたちは今、し烈なメンバー争いの渦中にいる。そんな厳しい部内選考を勝ち抜くための大きな足掛かりとなる今大会に中大からは10人の選手が出場。伝統の「C」を背負って箱根路を駆けるため、各大学のランナーたちとともにしのぎを削った。

第6組には5人の選手が出走。その中の4人が自己ベストを更新する力走を見せた。関口康平主将(理工4)はレース開始直後から果敢に攻め、先頭の谷野(青学大)を追走。先日、ハーフマラソンの中大記録を樹立した同学年の中山顕(法4)と5000㍍で自己ベストを更新した堀尾謙介(経4)に触発され、「最低でも自己ベストは更新したかった」と関口主将は意地の走りで3番目にゴール。「残り1カ月だけど、やることはたくさんある。シード権獲得のために貢献していきたい」とそこにはチームの統率を図るキャプテンとしての強い覚悟が感じられた。ラストランを箱根路で飾るため、関口主将の挑戦は終わらない。


▲最初で最後の箱根路に向けて気合十分の関口主将。攻めの走りでメンバー入りを狙う

その関口主将を追ってゴールに飛び込んだのは岩原智昭(文2)だった。「今季はずっと29分台を出せると思ってやってきたが、うまくいかなかった」という岩原だが、粘りの走りで29分58秒15でフィニッシュ。2試合連続で自己ベストを更新し、現在の調子は上向きだ。だが、岩原は「29分50秒を切れなかった」と現状には満足していない。その向上心でどこまで突き進むことができるのか。未知数な可能性を秘めた岩原の走りに注目だ。


▲好調を維持することができている岩原。ようやく苦しい時期を抜け出せることができるか

矢野郁人(商2)もまた自己ベストを更新。先輩の岩佐快斗(経3)とともに終始安定した走りでレースを展開した。しかし、矢野の目指していたタイムには遠く及ばず唇を噛んだ。「5000㍍から出ていこうと思っていたが、スローペースだったこともあり自分が3000㍍で出てしまった」と自身のペースアップに対応にできず悔しい結果に。「トラックよりもロードの方が得意」という矢野の底力を箱根で見せることができるか。ロードでの本領発揮を期待したい。


▲自己記録更新の力走を見せた矢野(左)と岩佐(右)

矢野とほぼ同時にゴールした岩佐は「自分の走りができた」とレースを振り返える。今季、なかなか思うようなレースができず、結果を出せないことに苦しんでいた岩佐。そんな不安を払拭するために臨んだ今回のレースで岩佐は自己ベストを更新し、メンバー入りに向けて大きく前進した。「欲をいえば29分台を出せれば良かった」と確実に高いレベルを追い求めるようになった岩佐。「来季のチームを引っ張る」ため、さらなる高みを目指す。

一方、表情が曇ったのは神﨑裕(文4)だった。「納得いく走りをすることができなかった。全てが中途半端になってしまった」と自身のレースに厳しい評価を下した神﨑。「あと少しの陸上生活。悔いが残らないようにしたい」と残りの1カ月に全力を尽くすことを誓う。

10組には3選手が出場。12着でゴールした川崎新太郎(経2)は序盤に遅れるものの、その後は自分のペースで走り切り自己ベストを更新した。「最初の付いていかないといけない場面でそれができなかったのは自分のミス。そのミスから1つ良かったことは後半自分のペースを刻めたこと」と川崎自身も手ごたえはつかめたようだ。この結果には山本コーチも「自力を見せてくれた」と納得の表情を浮かべた。


▲山本コーチも納得の走りを見せた川崎。メンバー入りに向け着実に力を付ける

18番目にフィニッシュしたのは二井康介(文3)だった。二井は1年次の頃に28分台を叩き出すも、その後は結果を残すことができずに苦しんでいる。そんな二井は序盤から集団から遅れてしまい後方でレースを展開。本人にとっても不本意なレースとなった。今季も残りわずか。二井は復活の活路を見出すことができるだろうか。


▲「復活」という二文字から遠ざかっている二井。少しでもその糸口をつかみたい

終盤に苦しい表情を見せたのは安永直斗(経3)だった。序盤は集団の中でレースを進めるが、5000㍍過ぎで腰の痛みに襲われ集団から後退。安永は「昨年自己ベストを出した大会だったので、タイムを狙いにいったがだめだった」と悔しさをにじませた。

各大学の実力者たちが名を連ねた最終組には三浦拓朗(商1)と池田勘汰(商2)が出場。期待のルーキ―三浦と先日5000㍍で自己ベストを記録した池田はレース序盤から積極的に先頭に出ると、その後も青学大の選手たちと集団を引っ張った。しかし、三浦はレース途中でコースから外れ、失格。「28分台が出たのにやらかしてしまった」と三浦は自身の詰めの甘さを振り返った。「途中まで先頭集団に付けていたが、その集団が動いた時に体を動かすことができなかった」とレースの対応の面においても課題を改めて認識した三浦。フレッシュな姿を箱根路で見ることができるか。伸びしろのあるルーキーに期待が懸かる。


▲コースから逸脱する三浦。結果としては残らなかったが初の箱根路への視界も良好な力走を見せた

一方、池田は三浦とともに集団を引っ張るものの、途中からペースに乱れが見えるようになった。「調子は悪くなかった」という池田だったが、2週間前に自己ベストを出した大会の疲労が影響したのか4000㍍以降から苦しい走りが続いた。「池田は堀尾、中山に次ぐ準エースになる存在。本人にとっては悔しい結果になったが、その悔しさをプラスにしてもらいたい」と山本コーチも池田に期待を寄せる。「この悔しさを箱根で返したい」と池田の見つめる先は既に箱根路にある。1年次には9区を走ったが、力不足を痛感して不本意な結果に終わった初の箱根駅伝からもうすぐ1年。成長曲線を描く未来のエースの走りから目が離せない。


▲悔しい結果に終わった池田。箱根での巻き返しに期待だ

「シード権を獲得するために今のチームに何が足りないのかやっていく」(関口主将)。近年の中大は本戦で苦戦を強いられ、シード権獲得から遠ざかっている。堀尾、中山といったエースたちの勢いにチームは乗り切ることができるか。新たな歴史の扉を開くため、選手たちは「勝負」の1カ月を迎える。

 

◆試合結果◆

男子1万メートル

6組

③関口主将 29分49秒31 PB

⑤岩原 29分58秒15 PB

⑧矢野 30分03秒48 PB

⑨岩佐 30分03秒95 PB

⑩神﨑 30分08秒70

10組

⑫川崎 29分40秒05 PB

⑱二井 30分36秒61

㉒安永 30分54秒63

12組(最終組)

三浦 DQ T3(縁石上・内側ライン上またはその内側を走ったため)

㊲池田 29分49秒42

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部

 

 

 

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