ドリームテニスを観戦してみた


11月25日の日曜日、私が長らく待ち望んでいた日がやってきた。東日本大震災チャリティマッチ、「ドリームテニス」の開催で、あの日本テニス界の2大スター錦織圭選手と大坂なおみ選手が名古屋にやってきたのだ。

会場となった日本ガイシホールには本当に多くのファンたちが集い、入場開始前から入口付近に設置された錦織選手と大坂選手の等身大パネルや、主催した日清食品のブースの前は大盛況。そこにはまるで大きな遊園地で見られるような行列もあり、これが今年大活躍した2人の効果でもあるのかと私は驚きを隠せなかった。今年は名古屋で初開催ということもあり、東京開催とはまた違った感覚でファンにとっても新鮮な雰囲気があったのかもしれない。

午前10時に開場し、中に入ると、既にそこには錦織選手と大坂選手の姿があった。それだけで私は興奮を抑えられなかったが、試合開始時間の11時が刻々と近づくにつれ、錦織のコーチを務めるマイケル・チャンコーチ、ゲストとして松岡修造さんが登場。松岡さんは試合開始まで、自身のアナウンスで会場を盛り上げ、時には観客に対して話しかける場面もあり、和やかな雰囲気を作り上げていた。特にこの場面では、各選手の口からコメントがあったわけではない。それもそのはず、松岡さんのアナウンスに耳を傾けてみると、ドリームテニスの試合は11時即開始のため、そのような時間は取れなかったようだ。

そして11時になると早速シングルス第1試合が行われた。ここでは錦織圭選手が登場したが、その相手は韓国の新星、チョン・ヒョン選手。今年の全豪オープンでN・ジョコビッチを破り、ベスト4に駒を進めたアジア期待の若手でもある。試合は終始リラックスした雰囲気で行われたが、タイブレークまでもつれ込む接戦となり、チョン・ヒョン選手に軍配。錦織選手の精度の高いストローク、チョンヒョン選手の粘り強いディフェンスなど、白熱した試合展開に会場は沸き上がった。

続いて、今年全米オープンを制した大坂なおみ選手と、低身長ながら粘り強いストロークを持つ奈良くるみ選手が登場。この試合も第1試合同様、大接戦となったが、序盤でブレークを奪った奈良選手は大坂に競り勝った。大坂は敗れたものの、代名詞である「新幹線サーブ」を披露すると、ファンは驚きで息を飲んだが、同時に大きな拍手が起こった。今年の流行語にノミネートされたなおみ節だけではなく、この新幹線サーブを目当てにしていた観客も多かったのだろうというような反応だった。

シングルス第3試合は、今注目の若手、綿貫陽介選手と今年ATPツアー初優勝を果たしたダニエル太郎選手が対戦。ダニエル選手は持ち前の粘り強いプレー、綿貫選手は鋭いフォアハンドを見せ、タイブレークにもつれ込む熱戦となった。最後は綿貫選手がフォアハンドのウィナーで試合終了。接戦を制した綿貫選手に大きな拍手が寄せられた。

そして、私が最も注目していた試合はミックスダブルス第1試合、大坂なおみ×錦織圭 vs チョン・ヒョン×奈良くるみのカード。これには会場のファンも釘付けに。今日本のテニス界を引っ張っている錦織選手と大坂選手がダブルスを組むことなんて・・・と思うファンも多かったことだろう。試合が始まると、あまりプレーが噛み合うことはなく、ミスを連発したが、会場からは笑いの声が広がった。試合もまさかの4-0の大敗だったが、泣きの1回で急遽タイブレークが行われた。ここから錦織×大坂のペアは息を吹き返し、タイブレークをものにした。だが、時折錦織選手のハイタッチを大坂選手がスルーし、結局錦織選手だけが子供のように喜ぶ場面も見られた滑稽なダブルスの試合となった。なお試合は引き分けとされた。

この日最後の試合は松岡修造×内田海智 vs錦織圭×マイケル・チャン。この試合は全選手が音声マイクをつけての対戦となった。松岡さんと大阪出身の内田選手が絶妙なやり取りで会場を盛り上げたが、ここではそのノリを熟知したマイケル・チャンコーチに対しても笑いが絶えなかった。しまいには全プレーヤーがはしゃぎ倒して、もはやテニスではないような試合に。この日一番の盛り上がりでドリームテニスは終了した。

最後に錦織選手がドリームテニスについてコメント。「ドリームテニスは復興チャリティがテーマですが、まだまだ災害があった場所はたくさんあります。みんなができればボランティアなどの活動に参加して、より日本を、よりいい世界にしていけたらいいと思います」と言葉を残し上で、「たくさんの方が楽しんでいただけたなら、とてもうれしく思います」と語った。錦織選手は最後までファンにサインや握手で応じ、ドリームテニス名古屋は幕を閉じた。

「ドリームテニス」という名の通り、名プレーヤーが集結し、本当に夢のような空間の中にいたと思えた一日だった。私は来年からもますます日本勢のテニスを応援していきたいと心からそう思っている。

 

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