就活生の視点から見る原晋マジック


青学大の原監督が執筆した『魔法をかける』(講談社、2015年)

青学大の原監督が執筆した『魔法をかける』(講談社、2015年)

大学駅伝界において時代の寵児となっている青学大の原晋監督。その彼が執筆した『魔法をかける』を先日、購入して読んでみた。原監督の強化手法として中国電力の営業マンだった経験を活かしたプロセス管理などが挙げられている。この手法は仕事や子育てにも応用できると言われているが、就活生の筆者が読んでみてこれは就活にも活かせるんじゃないかと思うような点がいくつかあった。

 

○就活もワクワク大作戦!?

驚異的な記録で優勝した今年の箱根駅伝で原監督が掲げた作戦は「ワクワク大作戦」だった。この背景には選手が優勝を意識するあまりプレッシャーを感じていたのをほぐすという目的があったが、就活でも同じことが言えるのではないだろうか。多くの就活生にとって就活は内定がもらえなかったらどうしよう、ブラック企業に入ったらどうしようなどネガティブなイメージを持ってしまいがちなものである。そんな気持ちでいては就活は辛く感じるばかりで楽しいと思えるはずがない。筆者が説明会に参加して考えていることは「この企業に入ったらこういう仕事ができるのか!」ということである。そういう気持ちになれば、自然とワクワクしてくるし、就活が楽しいと感じてくる。そして筆者が行きたい企業を選ぶ基準は説明会に参加してワクワクしたかどうかである。そういう気持ちになれるかどうかは人事の方の手腕にもよるが、企業の説明を聞いてワクワクすればその企業の志望度は自ずと上がるし、そうでなければ「この企業に入りたい」という気持ちにはなかなかならない。そういう意味でも「ワクワク」という感情は人々の行動を大きく左右するものだと最近は感じている。

 

○自分の言葉で話すと言うこと

原監督が選手をスカウトする際に表現力が豊かな選手を積極的に取っているという。山の神と呼ばれている神野大地も自分の言葉を持っていて社会人にも匹敵するレベルの表現力を持っているそうだ。この「自分の言葉を持つ」ということは就活において大事なことではないかと筆者は考える。就活生はよく「没個性化」していると言われている。皆が同じように黒のスーツを着て就活をしているからである。そして巷では「就活マニュアル本」なるものが存在し、それを参考にしてエントリーシートを書き、面接を臨んでいる。しかし、それで就活が上手くいくとはとても思えない。同じような言葉が並んでいては人事の方もつまらないと感じてしまうのではないだろうか。だからこそ自分の言葉で話すことが必要であると筆者は日々感じている。自分の想いや経験を素直に話した方が面接官にも響くだろう。それでダメなら縁がなかったと割り切った方が良いと思っている。嘘の自分で固めて内定をもらったとしてもそれでは入社後に苦しい思いをするのは明らかだと思うからだ。没個性化していると言われているからこそこれからは自分の言葉で表現できる人間が評価されるのではないだろうか。

 

○1回の成功体験を自信に

就活のことについて随分と偉そうに書いてきたかもしれないが、そんな筆者も就活では苦戦している。ESでは上手く志望理由が書けずに落ちたこともあったし、面接では思うように話せずに4回連続で落ち続け、5回目にして初めて通過した有り様である。それでも筆者は就活が辛いと感じたことはない。ESや面接で失敗したことも必ず次に繋がると思っているからである。筆者は選考結果に一喜一憂するのではなく、なぜこのような結果になったのかを常に考えるようにしている。そこで課題が見つかれば次は同じ失敗をしないようにしっかりと反省して次に繋げていく。以前、フィードバック付きのグループ面接を行ったことがあったのだが、その時に筆者は「人の目を見て話すのが苦手みたいだね」と言われたので次の面接では「今回は人と目を合わす練習をしよう」と思って面接に臨んだ。すると全く緊張せずに自分の言葉で想いを伝えることができ、初めて面接を通過することができた。ここまで筆者の面接成績は1勝4敗だが、この1勝が自信になったし、これからの面接も不安なく臨めると思っている。原監督は「1回の成功体験によって成長できるチャンスを得る」という考えを持っている。一度成功することによって自分のやってきたことが正しいと認識することができ、自信を持つことができるからである。アスリートや名指導者の言葉は多くの人に影響を与え、それらはスポーツ以外の分野でも役立てることができる。『魔法をかける』という本はそんな魅力が詰まった一冊ではないだろうか。

 

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