女子サッカーW杯決勝後の大ブーイング:ファンの目は厳しい


優勝したアメリカへW杯を渡すイッサ・ハヤトウFIFA理事(左)

優勝した米国へW杯を渡すイッサ・ハヤトウFIFA副会長(左)

ご存じだろうか?

容赦ないブーイングが女子サッカーW杯カナダ大会の
決勝後にスタジアムを覆ったことを―。

連覇を狙ったなでしこジャパンが、前大会2011年同様に
決勝の舞台で日本時間の6日にアメリカと対戦した。
結果はすでにご承知の通り、5-2でアメリカが
日本を破って1999年大会以来3度目のW杯を手にした。

満員のスタジアムの約9割はアメリカファンだったであろう。
そして、終了のホイッスルが鳴った瞬間、誰彼ともなく
歓喜に酔いしれていた。

涙で崩れ落ちるなでしこたちとのコントラストが、
またスポーツの素晴らしさと厳しさを教えてくれた。

平日の朝ということで、ここで多くの日本人ファンは
悔しい思いをしながら仕事に戻ったことだろう。

その後、アメリカの優勝を世界に知らしめるセレモニーが
始まろうとしたその時だった。

スタジアムからこれでもかというくらいの
ブーイングが大きく鳴り響いたのだ。

9割くらいがアメリカファンなのに、どうして母国の優勝に
ブーイングなのか?

一瞬、何事かと思ったが、その答えはすぐにわかった。

このブーイングは、メダルの授与などを行うために会場に
入場してきたFIFAの理事たちへのブーイングだったのだ。

せっかくの優勝の歓喜を台無しにし兼ねないブーイングだった。
しかし、それだけファンのFIFAに対する目は厳しいのである。

一連の汚職にまつわる疑惑で大揺れのFIFA。

今年に入って行われた会長選では、
ゼップ・ブラッター氏が再選されたが、
数日もたたずに辞任し、再び会長選が行われる事態となった。

この件について「歓喜」の裏で少し忘れられた感じがあったが、
FIFAはこの場での「ブーイング」の意味を重く受け止めるべきだ。
多くのサッカーファンは決して忘れてはいない。
FIFAに強い憤りと不信感を募らせているのだ。

母国の16年ぶりの世界一に酔いしれたいアメリカのファンが、
FIFAに対してあえてこの檜舞台で「No!」を突きつけたのだ。

アジアカップ2015決勝後のセレモニーで選手をたたえるブラッター氏(中央)

アジアカップ2015決勝後のセレモニーで選手をたたえるブラッター氏(中央)

 

実は、今年1月にオーストラリアで行われた
アジアカップ決勝に訪れたブラッター会長が、
スタジアムで紹介された時も
ファンは「ブーイング」で迎えていたのだ。

しかもである。

これまでFIFA会長によってW杯の授与が行われていたのに
ブラッター氏は「事態が収束するまでリスクを避けたい」(ドイツ紙)
と決勝の会場にすら姿を現さなかったのだ。

まだある。

よりにもよって、ブラッター氏の代わりにW杯を渡したのは、
アフリカサッカー協会の会長であるイッサ・ハヤトウFIFA副会長
だったのだ。

ハヤトウ氏も一連のFIFAの汚職事件の当事者に挙げられており、
2022年W杯開催を決める投票で、“投票”を売買した疑いがもたれている。

ハヤトウFIFA副会長の不正を報じる新聞

ハヤトウFIFA副会長の不正を報じる新聞

ファンの声はFIFAに届いているのであろうか?
誰もが優勝の歓喜を喜び、共有したい時間帯であったはずだ。
その時間に水を差してまで訴えたかったFIFAへの反感。

汚職の手から渡されるW杯を受け取ったアビー・ワンバックは
どのような気持ちだったのだろうか?

いまさらだが、
ブーイングの意味を最後に書いておきたい。

「観客(ファン)が声を発して不満の意を表すこと」

FIFAのみなさん、聞こえていますか?

コメントを残す