誤審について思うこと


・幻のホームラン
9月12日の阪神‐広島戦で広島・田中が放った打球がフェンスを越えたものの、
防護ワイヤーに当たってグランドへと戻り、三塁打と判定された。
同月14日にはビデオ判定の末の誤審にセ・リーグが謝罪をするという異例の事態に。
カープは好きだが、ひいきのチームという訳でもないので、どことなく他人事である。
これがひいきチームのことだったら、こうはいくまい。

ひいきであるファイターズ戦での誤審と言えば、2013年の日本シリーズが思い出される。
日本ハム・多田野が投じた球が巨人・加藤健の頭部に当たったとして、危険球退場。
だが、実際は当たってすらいなかった。思い出すだけでも当時のモヤモヤがよみがえる。
なるほど、応援しているチームが判定で損をすれば穏やかではいられない。
優勝やCS出場がかかる終盤戦ではなおさらだろう。

・「介入」はどこまで許されるのか
日本プロ野球のビデオ判定はホームランのみを対象として、2010年からスタート。
他方、メジャーリーグでは一歩進んで、2014年からチャレンジという制度が導入されている。
試合中に一定の回数制限を設けて、判定に異議を申し立ててビデオ判定を行うというもので、
判定の対象範囲はホームランはもちろん、通常のアウト・セーフに及ぶ。
突き詰めればストライク・ボールの判定までビデオ判定になるのでは、
と少々気になるところではある(2015年現在は対象外)。
おそらく全てのジャッジを機械化することは難しいだろうし、味気ない。
では、スポーツはどこまでテクノロジーに頼れるのか。

サッカーでは「ゴールライン・テクノロジー」が導入され、
ゴールラインを割ったか否かについての判定がなされている。
このように「各競技の最重要項目のみに絞る」のが妥当な線引きではないだろうか。
野球に関してはホームランの判定ということになる。
アウト・セーフの判定はホームのみなら、納得できるところだ。
結局のところ、確固とした結論が出しにくいので
「大多数が納得するライン」が落としどころなのだろう。

・普段のジャッジに然るべき敬意を
そもそも誤審が話題になる一方で「好ジャッジ」が注目されることは稀である。
メジャーリーグのある審判はこう発言している。
「我々にとってのベストは、ファンが試合後に我々のことを覚えていないことだ」
審判がパーフェクトに責務を果たす時、その存在は忘れられている。
その一方で一度ミスを犯せば、非難の的になってしまう。
特に今回の様な「試合の結果を直接左右する誤審」など、何百試合に1つか2つだろう。
自分に照らして、想像みてほしい。
日々の仕事をソツなくこなしても特に評価されないのに、
ミスを犯した途端に袋叩きにされる姿を。
誤審を非難するのであれば、普段のジャッジにも然るべき敬意を払うべきではないだろうか。

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